
	FUJIFILM X-H1 with Fujinon XF56mm F1.2 R
	いつもお世話になってます、八百富写真機店 高槻駅前店 店長Kです。 (2018年3月19日撮影)
	
	 
	「ひと足お先に.....」、そんな感じで咲き始める桜は幾つかございますが、僕の中での「桜開花宣言」は京都御苑に咲くイトサクラの開花に伴います。
	定番のソメイヨシノや河津桜とは違い、小さな桜花を糸のように枝垂れ咲かせる、これが何とも優雅な桜。
	観る時間帯や気象条件によっても雰囲気が違ってくるので、「○○頃が良いよ~」とは一概に言えません。
	ありがたいことに早朝からでも撮影ができるこの場所、三脚までも使わせていただける都会の貴重な桜撮影地です。
	 
	この日は FUJIFILM X-H1 試用"第二弾"、56mm(換算約 85mm )の組み合わせで京都桜を愉しみました。
	FUJIFILM 機の試用し始めは決まって桜撮影だったりしますが、ここ数年の桜カラーイメージも FUJIFILM 機の出す色が基準になっています。
	1枚目のフィルムシミュレーションは「ETERNA(エテルナ)」、動画用に加わったフィルムシミュレーションを静止画に設定して出力。
	プロビアやベルビアなど"加算の色再現"が多いなか、これは"減算の色再現"とも言うべきフィルムシミュレーション。
	長く視続ける動画用に適しているとされていますが、どこか懐かしさを感じる落ち着いた発色+階調は、古木の桜によく似合っているようにも思えてきます。
	 
	ちなみに他のフィルムシミュレーションとも見比べてみましょうか。
	
	PROVIA/スタンダード「標準的な発色と階調。見た目通りの色再現を求める場合に最適なフィルムシミュレーション」
	
	Velvia/ビビッド「鮮やかな発色とメリハリのある階調。青空をより青く、夕焼けをより赤く、花の色を鮮やかに再現するなどの高彩度表現に最適」
	
	ASTIA/ソフト「落ち着いた発色で弱めのコントラスト、滑らかな肌色を再現。朝霧の中の風景、淡い色の花びらの微妙な色調など、しっとりとした雰囲気を撮影する際に適しています」
	
	クラシッククローム「グラフジャーナリズム全盛期の雑誌や、ドキュメントタッチの写真集に印刷されたイメージ”を徹底的に見つめることから画質を設計、僅かに渋みを含んだ色彩とシリアスな階調」
	
	PRO Neg.Std「柔らかな階調でキメの細かい肌色の描写。スタジオポートレート向き」
	
	PRO Neg.Hi「メリハリ感のある階調でやや鮮やかな色彩。ポートレート撮影のほか、コマーシャルフォトや建築写真などにも最適」
	
	ACROS/白黒フィルム「超微粒子で知られる白黒フィルム"ACROS"。より滑らかな階調、引き締まった黒、美しい質感再現が特徴。一般的な白黒モードとは一線を画する超高画質な黒白写真表現が可能」
	 
	如何でしょうか、「フジフィルム X(エックス)シリーズ」。
	これだけのフィルムを同じ場所でとっ変えひっ変え何度でも使えるという夢のような現実のお話し。
	しかし.....、しかしですよ、ボディ内でRAW現像したデータを使い慣れたパソコンモニターで視てみると、これがまた思っていたのとはちょっと違う.....
	そりゃ自宅と同じような環境で現像しているわけではありませんから、そのような違和感は他社機種でも普通につきまとうでしょう。
	せっかくのフィルムシミュレーション「エテルナ」だって、ビシィっと決まった状態で保存をしたいのが本音。
	 
	ここで活きてくるのがフジフィルム純正アプリ「FUJIFILM X RAW STUDIO」、ボディ内現像と同等のことがパソコンで出来きますし、現像処理速度もすこぶる早し(これが重要)。
	
 
	使い方はいたって簡単。
	先ずは撮影データをいつものようにパソコンの任意フォルダへと保存します。
	いつもと違うのは、このあとカメラ本体とパソコンをUSBケーブルで接続するところ。
	このとき撮影データの入ったSDカードをカメラ側に再セットする必要はありません。
	そのままカメラの電源をONにするとパソコン側にドライバがインストールされ同調されるようになります。
	(ドライバのインストール(自動です)は最初だけで、その後は接続の度に外部ストレージとして普通に認識されるようになります)
	カメラが認識されているかどうかは、「FUJIFILM X RAW STUDIO」を起動すれば選択項目がぜんぜん違います(上の左右画像を参考)ので、直ぐ気づくことでしょう。
	あとはちょいちょい弄って現像(保存)するだけ。
	パソコンの演算能力代わりにカメラ搭載の独自画像処理エンジン「X Processor Pro」を使用し演算しますので、1データあたりの現像速度(時間)は俊足1秒以内!!
	 
	ちなみに同社から同様に提供されている「RAW FILE CONVERTER EX 2.0 powered by SILKYPIX(フィルムシミュレーション対応版)」でもRAW現像ができますが、1データ処理速度は12秒~15秒ほどかかります。
	
 
	いけずな比較ですが、処理後の画像(jpeg)にも違いが出ていました↓
	
 
	↑これは「FUJIFILM X RAW STUDIO」を使用してストレート現像(撮影時設定のまま)したもの。
	左の画は等倍画像、右の画は横2048pixelトリミング。
	
 
	↑これは「RAW FILE CONVERTER EX 2.0 powered by SILKYPIX(フィルムシミュレーション対応版)」を使用してストレート現像したもの。
	左の画は等倍画像、右の画は横2048pixelトリミング。
	 
	
 
	USB3.0との違いが処理に影響されないかいろんなパターンで調べてみましたが、気にするような差は感じられませんでした。
	レスポンスの良さはUSB3.0に軍配があがりますが、比較しなければ判らない程度です。 
	 
	
	(対応機種は表記の通りなのでご注意を)
	 
	汎用ソフト(Capture One や Adobe Lightroom)を使われている方も多いかと思われますが、ぜひこれを試してみてください。
	残念ながらハイライト部のコントロールなどは汎用ソフトに数歩譲るものの、汎用では再現できないかなり高品質な画像で保存が出来ます。
	他社もこんな気遣い満載のアプリケーションが出てこないかなぁ.....
	 
	桜写真が続きます。