カメラの八百富|なんで50mmを標準レンズって呼ぶんですかね?

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㊥カメラ担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。

今日、閉店間際に常連のお客様とお話していたら、昔なつかしい議論「なんで50mmを標準レンズって呼ぶんでしたかね?」って話しになりました。

「35フィルムの対角線の長さにもっとも近い」ということになるのですが、最近は「標準ズーム」なる言葉まで登場し、やや話を整理しようかなと思い調べてみました。


zuiko-001.jpg
第1説
35mm一眼レフ画面「24mmX36mm」の対角線の長さ43.2mmに最も近い焦点距離だから

第2説
水平方向で40度、対角線方向で46度というその画角が肉眼で物を見たとき比較的はっきり見える範囲とほぼ一致しているから
 ※ 異論をとなえる人は多く、実感での肉眼視野は35mm画角だ、いや28mm画角だと人それぞれ

第3説
普通の撮影距離では他の全ての交換レンズに比べて、50mmレンズの画像が最も肉眼の感覚に近いパースペクティブ(遠近感)を示してくれるから
 ※ これにも異論あり。85mm説や100mm説などがある

第4説
カメラを買うと必ず付いてくるから

以上、1983年の THE LENS WORK CANON より引用

第1説は一般的に最も言われる話しで、なんとなく説得力がありそうな気がするのですが、「だからなんで対角線」と近かったら標準なの、という部分には何ら答えがありません。

第2説や第3説は同じような「肉眼比較」からの説です。
第4説にいたっては、ある意味最も説得力のあるような????。
確かにそうなんですが......。

この引用物では、次のようにまとめています。

この50mmの標準レンズ、一般的なわかりやすさでいうならば、やはり、最も肉眼に近くクセのない素直な描写をするレンズだと理解すべきではないだろうか。そして、肉眼で見た風景を記録したいという人々の願いが写真を生み育てたことを考え合わせると、50mmレンズこそ全ての基本だといえよう。まさに、「標準」と呼ぶにふさわしいレンズではないか。

なかなか分かりやすい解説です。

50mmレンズって、

使い方次第では、広角的にも望遠的にも描写力が変化し、実に多彩な映像表現ができます。
絞り込んで被写界深度を深めて、前景と遠景を組み合わせて遠近感を強調したり、あるいは、被写体に近づき絞りを開けてボケ味を活かす望遠的な使い方もできます。
各社とも、50mmレンズは看板レンズでしたから、その描写は会社の威信を背負っており、
開放から近接まで十分な画質を確保しています。是非色々な使い方を研究して下さい。

もし、お客様から「2本目のレンズは何がいい」というご質問があれば、まず私は標準レンズをお勧めしています。標準ズームから標準レンズへのステップアップです。
標準ズームはあくまでも画角が広角でもなく、望遠でもない真ん中という意味にしかすぎません。
その描写は便利さであり、表現の幅はどうしても開放F値の制約から限定されてしまいます。
ぜひ、皆様も絞りをコントロールする楽しみとピント位置による被写界深度のコントロールという世界に足を踏み入れて下さい。きっと写真の楽しみが倍増すると思います。





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このページは、㊥カメラ 担当係が2009年11月26日 01:15に書いたブログ記事です。

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