2019年1月アーカイブ



DA★超広角大口径ズームレンズ 
「最高のレンズ」と言わせて頂こう !!! 
ついに、ご予約開始です !!!

 

HD PENTAX-DA ★ 11-18mm F2.8 ED DC AW 2019年2月22日 新発売 !!!





DA11-18mm-002.jpg



二年前の秋、
リコーイメージングスクエア大阪が開所したころだったと思う。

勇気をもって幹部の方に思いを直訴した。

「今、PENTAXユーザーさんはレンズが出てこない事に、非常に大きな不安とストレスを感じておられる。もし、近々に出てくる予定のレンズがあるなら、少しでもいいので
情報を公開してほしい。それが安心につながり、また期待となる。このままだとマウントチェンジが進むことになります。どうぞよろしくお願い申し上げます。」

そんな失礼な事を申し上げたヤオッター、それは私自身の不安でもあり、そんなことはないはず!必ず何か出てくるはずだ!だとの期待値からだった。


すると、2017年10月27日にリコーイメージングさんから

 

デジタル一眼レフカメラの高性能化に対応する新世代の高性能スターレンズシリーズを開発
~「Photo Plus Expo 2017」、「Salon de la PHOTO 2017」に参考出品~デジタル一眼レフカメラの高性能化に対応する新世代の高性能スターレンズシリーズを開発

というニュースが発表された。


小さな小売店の小さな声を真剣に検討いただき、ほんとありがたいお話し。

もちろんユーザー皆様のお声が第一で、弊店はきっかけ。


やっと、ともしびがとぼった。

しかも、二本のスターレンズに関すること!


HD PENTAX-D FA50mmF1.4 SDM AW は、2018年の春。
そして、

HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8 は、2018年の夏。


いよいよだ~twitterやブログで、この吉報を発信!多くの方々と喜び、今後への期待を分かち合った。

しかし、まさかこの後、苦難の道が待ち構えているとは……。


いよいよcp+だ。そろそろ具体的な時期や価格の発表があるだろう。

しかし、残念ながら詳細は聞こえてこない

「桜を撮らさせないのが、ペンタックスの春」
「PENTAXの春は初夏だよ」

などなど、またまた不安がめぐった。


そして、ついに2018年04月13日に
 

HD PENTAX-D FA50mmF1.4 SDM AW(仮称)
開発状況についてのお知らせ



2018年春から2018年夏へと延期するとの発表。


さらに、そこに追い打ち情報が加わる。
2018年06月29日のことだった。
 

HD PENTAX-DA11-18mmF2.8ED DC AW(仮称)
開発状況についてのお知らせ


2018年夏から2019年へ。さらに(現在の見通し)となんとも心弱くなる注釈付き……
ほんと大丈夫なんだろうか


今思い起こせば、この辺が底だったのでしょうか。


やきもきしながらも、ついに HD PENTAX-D FA★ 50mm F1.4が2018年07月20日に発売される。

やっと、待ちに待った皆さまの元へお届けできた~


これで開発の皆さんは11-18mmに集中できるはずと思いきや、残念ながらお会いするリコーイメージングの皆さんの発言は超々慎重な言い回し。

日に日に言葉数が少くなくなっていく。

期待を頂かすような言葉なんぞ皆無皆無、全然聞こえてこない。

「下手すると、もっと先になるかも……」そんな悲観的な声すら聞こえてくる……マジか


と心配していたら、例の八百富オフ会 !!!

なんと、その会場に DA ★ 11-18mm の作動実機が登場してきた~

とにかく寝耳に水~ビックリだ 2018年12月15日のこと


DA11-18mm-001.jpg
これも、今振り返ると「なるほどね~」

恐らく、もうその時点では量産が開始されていたのでしょうね。
だから、僕たちの前に出てきた。

当然にその時は教えてもらえなかったわけで、アンダーグランドでは「準備万端滞りなく」進んでいたというわけでした !!!


と、大変に前置きが長くなりました。それだけ、待ちに待ったレンズということ。

ほんとうれしい限りです。(長文、お許し下さい)



ということで、まずはこのレンズの印象を言葉でご紹介させて頂きます


「思っていたより高いな…」
「そう感じられた方が多いかもしれません」

「でも、出来ましたら、まずは写りをご体感頂きたい」

「必ずや! 価格相応の素晴らしい写りだなぁ~と感じて頂けるもの思います」
「私 
新看板レンズ がもう1本登場した!!! そんな気分です」
「フルの70-200mm、APSの11-18mm、新基準スターレンズの双璧です」

 


 







では、いつも通り外観から確認していきましょう。

PENTAX KP との組合せ。さらにレンズフードもセットしてみました。


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カメラにセットすると、さすが前枠が大きい。横からみるとレンズ浮きです。

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PENTAX KP SILVER との組合せ


DA11-18mm-037.jpg

次に、PENTAX K-3 との組合せです。
KPと比較すると、少し本体が大きめなのでバランス絶妙。
「これ位の大きさのカメラとくっつけるため、この世に出てきたレンズだ」
などと夢想してしまいます。
後継機の一日でも早い登場が待たれますね。
リコーさんよろしくお願い申し上げます。


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フード付けてみる。
流石に前側が浮いてしまいます。


DA11-18mm-036.jpg

レンズ単体のみ


DA11-18mm-005.jpg反対側から

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新レンズと従来製品 smc PENTAX-DA 12-24mmF4 ED AL[IF] との比較です
さすが、一回りでかいという感じ。


DA11-18mm-034.jpg絞りは、予定通りの機械式。(KAF3仕様)
DFAのフルサイズ仕様なら電磁絞りとなったのでしょうが、やはりこのレンズはAPS-CサイズのDA★レンズ。
より多くのカメラで使えるようにとのご判断です。



DSC_8602.JPG


マウント面の全景
赤いシーリングが取り付けられた防塵・防滴構造のAW(All Weather)が採用されています
と言えども、この部分の管理はお客様の仕事です。


このシーリングの上に、例えば細いくず糸が付いていたとします。
そうしますと、その糸をつたって毛細管現象で内部に水分が侵入してしまうことがあります。

油断大敵、防塵防滴はユーザー様とシーリングの共同作業です。

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最後に立像です。

DA11-18mm-009.jpg
ということで、まずは四方八方からレンズの出来上がりを確認してみました。

仕上がりは流石に★レンズ、昨今の他の★レンズと同じくしっかりとした質感と構造です。



そして、ご覧の通り、このレンズには前面に82mmのフィルターを取り付けることができます。

超広角レンズでフロント側にフィルターが付けられるようにするか否かは、仕様設計上とても大きな選択です。


より広角側の焦点距離を意識すればいわゆる「出目金レンズ」となり、つまりフロント側にフィルターを装着できない構造となります。

焦点距離 11-18mm(35mm判換算で17-27.5mm相当)は、PLフィルターやNDフィルターの使用を考えた上での落としどころだったと感じます。


 






それでは、このコンセプトを詳しく見ていきましょう。


ペンタさんの狙いは、

● 要望の強かったAPS-Cフォーマットの★スターレンズの大口径超広角ズームレンズ

をついに市場に出し、皆様のお声に応える !!!



目指した性能は、

● 今後のカメラの高画質化を見据えた新世代のスターレンズ規格で設計

● 中心から周辺までシャープで抜けのよい像性能
  (球面収差と色収差を低減するEDガラスモールド非球面レンズの採用)

● 新世代のマルティコーティング「HDコーティング」の採用によるゴースト、フレアの抑制

● 多くのPENTAX製品に対応するKAF3マウント採用(機械式の絞り制御)

● 防塵防滴構造と-10度の耐寒性能

● 結露に強い構造(レンズヒーター対応の設計)

● フォーカスクランプ機構(ピント固定)



そして、想定する撮影シーンは、

● 小型なAPS-Cシステムにこだわるユーザー様向け
● 風景撮影が主ターゲット
● 星景写真もとても重要なターゲット


上記のような思いでもって、今回のレンズを企画・製造されました。



そして、今回のこのレンズの登場で、

● DA★16-50mmF2.8
● DA★50-135mmF2.8

とあわせて超広角から望遠まで防塵・防滴の大口径レンズラインナップの完成することになります。


 

 






MTF直線でこのレンズの性能を確認してみましょう

左が今回の新製品、右が従来品の smc PENTAX-DA 12-24mm F4 ED AL IF です。

曲線が高い位置にあるだけでなく、ばらつきが少なく揃っていますね。とても優秀なレンズだと物語っています。

たぶん従来品はこのままディスコンになるかもしれませんね。

性能差と価格差のバランスを考えると、従来品も購入ターゲットとお考えの場合には急がれたほうがいいかも?


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では、新世代★(スター)レンズの圧倒的な描写力の片りんを見てみましょう

左が新製品、右が従来製品です。

像が流れやすい広角レンズの周辺部でも、しっかりと解像しています。残念ながら、従来製品では周辺部(左下)に向かうほど、像が流れてしまっています。

正直、圧倒的な差ですね。

1枚の写真として適切な距離から適切な鑑賞サイズで見れば、従来製品での写真も一枚の写真となるのでしょうが、周辺部を一要素として見てしまうとやはりその差を意識せざるを得ません。



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次に、周辺部の倍率色収差を見てみましょう。

これも同じく左が新製品、右が従来製品です。いずれも開放、すなわち新製品が F2.8 、従来製品が F4 です。

それでも、これほどの違いがでます。

新製品では開放絞りF2.8での撮影にも関わらず、光源の周りに倍率色収差が目立ず、ビルのエッジも精緻に見事に描写。

従来品では開放絞りF4ですが、光源のまわりには倍率色収差が目立っています。

(従来製品をお持ちの方には大変申しわけございません。これほどの差が出てしまいます)

 


 

DA11-18mm-012.jpg


 








そして、いつもの定点撮影場所から画角の確認を行ってみました。
 
まずは、APS-Cサイズで。後半は、どこまでフルで使えるか~頑張れるか~ PENTAX K-1 Mark II でも試しています。



APS-C 11mm


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APS-C 12mm

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APS-C 14mm

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APS-C 16mm


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APS-C 18mm

DA11-18-18mm.jpg




こうしてみると、ほんと待ちに待ったスターレンズの超広角域ですね。

幅広いシーンで活躍しそうです。

では、禁断のフルサイズ、K-1 Mark II のクロップ外し:絞り開放です。今度は、逆に徐々に画角を広げていきます。



FULL-SIZE クロップ外し 18mm(開放)

DA11-18-FULL-18mm.jpg
FULL-SIZE クロップ外し 16mm(開放)


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FULL-SIZE クロップ外し 14mm(開放)

DA11-18-FULL-14mm.jpg
FULL-SIZE クロップ外し 12mm(開放)

DA11-18-FULL-12mm.jpg
FULL-SIZE クロップ外し 11mm(開放)

DA11-18-FULL-11mm.jpg

絞りを変えてみると、

まずは、18mmでF2.8、F5.6、F8.0の3枚重ね


DA11-18mm-030.jpg

16mmでF2.8、F5.6、F8.0の3枚重ね


DA11-18mm-031.jpg
14mmでF2.8、F5.6、F8.0の3枚重ね

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12mmでF2.8、F5.6、F8.0の3枚重ね

DA11-18mm-032.jpg


11mmでF2.8、F5.6、F8.0の3枚重ね

DA11-18mm-033.jpg
レンズの勉強をしているみたいになってきました。

絞るとイメージサークルが広がるが手に取るように分かります。

と同時に、絞っても円の直径が広がるわけではない。

絞ると円周部分内側のにじみが減っていくのが分かります。




スクエアでの撮影なんぞ面白そうですね。
 



「隠れスターレンズ」をリニューアル
HD PENTAX-FA 35mm F2 ご予約開始です !!! 人気モデルをアップグレードするという考え方


HD-FA35mm-001.jpg
セールスさんからこのニュースをお聞きした時、正直とても驚きました。

「35mmのリニューアル?」

まったく個人的に想定していなかった、領域?レンズ?手法?だったのでとにかくビックリ。


まずは、そのあたりの真意を聞いてみました。


基本の姿勢は次の通り

「当然、今後も大型・重量級の高性能レンズは、継続的に投入していきますよ~」


そして、リニューアルという考え方については、

「ただ、すべてを新製品に置き換えるのではなく、優れた性能を持つ既存人気モデルは、アップグレードという考え方で継続的に見直して投入していきます」

だそうです。



言われてみると、過去の既にDA Limited レンズ群のHD化とデザインリニューアルがありました。(そう今回を特別視したらいかんなぁ~と自己反省)

そして、

日頃使用している HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW で、「HDコーティングでこんなにも抜けが良くなるのか!」と実感している私としては、

そもそもHD化に大賛成派。(ここ問題なし)


さらに、

さすがにフィルム時代からの旧デザインには、今時点での居心地の悪さを感じていたので、デザイン変更も大歓迎!(いいじゃん~)

でも、え?????もしかして

「クイックシフトフォーカスはどうした~」(ここで硬直)



そのあたりをお聞きすると、

一人のセールスとしてはこう思っています。
「定価 56,000円 と低位に抑えたかった。その結果だと思っています。割り切ることろは割り切ったではないでしょうか」



それからもう一度じっくり説明をお聞きし、しばらく色々と触らしてもらう。
ファインダー像も確認して、試し撮りもさせてもらう。

そんなお試し経て、もう一度「スペック」確認してみる
 

  • レンズ構成は現状維持(絞りによる写りの変化を楽しめるレンズのまま)
  • クイックシフトフォーカスは搭載なし。絞り環もそのままで、他の機構スペックもそのまま(超割り切り)
  • ただ、デザインはリニューアル(昨今のカメラデザインとの統一性、あとキズとかテカリが目立たない仕様に変更)
  • 付加価値はコーティングのHD化(抜けがとてもよくなる)
  • もう一つの付加価値は、前玉のSPコーティング化(キズ防止)


上記を踏まえ、私なりにこのレンズを総括してみますと


「味のある描写、変化のある描写、今後も自分たちは大切にしていきたい」
「このレンズは素性のいいレンズなので、コーティングを刷新することさらに進化する」
抜けのよさという進化を加えたので、もう一度スナップの最前線でガンガン使ってもらえませんか」


こんな作り手の思いを感じるレンズとして再登板~

と、まとめさせて下さい。


開放からカリカリ写るレンズがここ最近のトレンドです。

もちろん、リコーさんとしてはそういうレンズもやっていきます。

でも、こういうペンタらしいレンズ、言葉にするなら


「描写の中に、芯がありつつも穏やかさややさしさを併せ持つレンズ」は捨てがたい。そして、そういうレンズはシンプルで小型軽量というペンタらしさをも同時に提供できる。ご意見もあろうが、ペンタらしさの一側面を表すレンズと理解してもらえたら幸せだ」


そんな風に、私なりに補足させて頂こうと思います。


 



 

では、まずは画角の確認。いつもの定点撮影場所からです。
カメラは PENTAX K-1 Mark II です

念のため、あくまでも画角の確認用写真です。

抜けがいい写真ですが、新レンズで撮影した画像ではございません (^^);; ほんと抜けがいいなぁ~ (^^)

安心感のある 35mm フルサイズ画角 63° です

 

HD-FA35mm-006.jpg
 





では、恒例の外観をご紹介していきましょう。

従来品の smc PENTAX-FA 35mm F2 AL と比較しながら細部をご確認下さい。

並べると、コーティングの色の違いが見てとれますね。

薄い緑系のいかにもエコガラス的な色合い(左)から、紫系のやや色のりの濃さを感じる色(右)に変わりました。

あと、距離指標下の「レンズの識別刻印」が今様に、そしてピントリングのゴムが山谷式に変わっています。

 

HD-FA35mm-002.jpg


サイドのロゴも新デザインに変更されています。
今回から「AL」アスフェリカルの文字は商品名から削除された模様。

HD-FA35mm-003.jpg



外装の仕上げは従来品とは大きく違います。フードが分かりやすいので、フードの比較写真。

従来品は、使い込むとキズやテカリが目立ちましたが、新製品は比較的目立たない仕様となりました。

最新の他製品と同じ縮緬塗装。経験則からしても、格段によくなることと思います。

この縮緬塗装は最新式のDAやDFAレンズと同じで、Kシリーズデジタル一眼カメラとのマッチングも良くコンパクトな単焦点レンズに仕上がっています。



 

HD-FA35mm-004.jpg




ピントリングもMF時の操作性を考慮して山谷のゴムに。
クイックシフトフォーカス おっと、やめておきましょう (^^);;




HD-FA35mm-005.jpg



さらに、外観を見ていきます。
マウント面は従来品と全く同じ。WRではないので、シーリングもなしです。割り切り!

 

HD-FA35mm-007.jpg



そうそう~
レンズの先端に緑ラインが入った事を書いてませんでした。
社内では「グリーンリング」と呼ぶそうです。

そして、この角度にするとよりコーティング色の違いが出てますね~

 

HD-FA35mm-008.jpg

もうちょっと拡大。こっちが、従来品の smc PENTAX-FA 35mm F2 のコーティング。
私的には、とてもエコガラス的な色合いと感じるところ。
ここ最近の各社のレンズは、ほんとこの系統の色合い。
鉛レスの補色ですね。

 

 

HD-FA35mm-010.jpg



そして、こちらが新レンズ HD PENTAX-FA 35mm F2の色合い。
中古カメラ的に言えば、昔の NEW Nikkor くささを感じます。
とても色濃い!

 

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この1枚目の前玉(第1レンズ)には SP (Super Protect) コーティングが新採用されています。

ここ最近のリコーさんのレンズには必ず採用されているコーティングで、材質はフッ素コート。

硬度が高く、レンズ保護に効果を発揮するコーティングです。

レンズにホコリや水滴、油汚れなどがつきにくくなると同時に、汚れが付着した場合でも、簡単に除去しやすいという特長を備えているコーティングです。





HD-FA35mm-012.jpg




その特徴を動画でご紹介。

まずは油性インキで落書き。インクをはじく=コーティング面に対しては球なので接地面が少ない。簡単にきれいにふき取ることができます。





次は水でお試し。左側がSPコーティング面、サラサラと流れてほとんど流れ落ちます。





最後は黒のポスカ。右側の従来コーティングではとてもレンズと馴染んでしまっていますね~ (^^);;





ということで、
汚れが付きにくい。付いたとしても、簡単にふき取ることができる。さらに、拭いてもキズが入りにくい。

という特徴のご紹介でした。

ただ、実際のふきふきでは、まずはブロアでほこりやごみ飛ばし!必ず励行下さいね。



 



 

そして、中のレンズには最新のマルチコート「HDコーティング」が蒸着されています。

  • 従来のコーティングを全面的に見直した、反射を抑える高性能コーティングを採用
  • その結果、ゴーストやフレアを抑え、画面全体でヌケのよい描写となる

このレンズの持つ元々の素性の良さ「シャープな写り」をコーティングで補完し「よりよい描写」に発展させました。


まずは、その能力をサンプル写真でご紹介。

明らかな差をみてとれます。



HD-FA35mm-011.jpg
このような画面内に強い光源があるような悪条件って、高感度性能のアップで結構出くわすシーンです。

でも、従来のマルチコーティング版の製品だと左側。

これがHDコーティングの力です。

私が日頃使うレンズで、最もコーティングの進化を感じているレンズが1本あります。

HD DFA 70-200mm F2.8です。このレンズで写すと、空気の透明感が高くなると言いましょうか、確実にもやっとした薄皮がとれて、あらゆる方向に向けて撮影してもシャキッとした映像を得ることができます。

基本はフードで斜光をカット。

それでも真逆光となりますとフードは役立たず、コーティングの性能に頼らなければなりません。



詳しく、技術的にみてみましょう。

HDコーティングは、製法を見直すことで、設計上の理論値により近い高精度なコート膜を形成させます。

膜の硬度が高く耐久性にすぐれ、従来のマルチコーディングと比較して50%以下まで反射率を低減し、ゴーストやフレアの抑制に非常に高い効果を発揮する最新のマルチコーティングです。




HD-FA35mm-013.jpg

均一な膜厚でレンズ表面にコーティングを蒸着することが可能となったので、旧製品であるsmc PENTAX-FA35mmF2ALと比較し以下の通り優れた反射防止性能を達成したそうです。




下のグラフは、旧製品smc PENTAX-FA35mmF2ALと同一レンズ面で比較した場合の反射率です。

可視光域(400~700nm)の範囲でHDコーティングの高い反射防止性能が読み取れます。



HD-FA35mm-014.jpg

さらに透過率の新旧比較をみてみましょう。
同じように可視光域で高い性能となています。
HDコーティングを施した各レンズ面の反射防止性能によって、レンズ全体としての総合的な透過率の向上を実現しています。




HD-FA35mm-015.jpg
たかがコーティング。されどコーティング。

中古レンズを取り扱っている店なので、その歴史や効用は身に染みて感じている部分。

レンズ発展史はある意味コーティングの歴史なり。

PENTAXさんもそう~

ただの Takumar に始まり、Super-Takumar、Super-Multi-Coated TAKUMAR、SMC TAKUMAR、SMC PENTAX、smc PENTAX-M、smc PENTAX-A、smc PENTAX-F、smc PENTAX-FA、そして HD PENTAX

まさにPENTAXレンズの歴史は、コーティング歴史でもありますね。


※ 校正のご協力、感謝申し上げます (^^)
 

 






さらに、このレンズの写りをレンズ構成とMTF直線で見ていきましょう。


レンズ構成は冒頭にも書いた通り、従来品と同じ5群6枚。
とてもシンプルです。

特徴と言えば、第6レンズ=後玉にハイブリット非球面レンズを配していること。

ご承知の通り、これはフィルム時代のレンズ。
当時、35ミリAF一眼レフカメラ用35mmF2レンズで初めて非球面レンズを採用したレンズでした。



この非球面レンズのおかげで諸収差が良好に補正され、

  • 開放ではしっかり解像しつつ、柔らかさも併せ持つ描写
  • 1段~2段絞ると全体にシャープに描写する

一眼レフならではの楽しみを体感できるとして人気を博したレンズです。



巷では「隠れスターレンズ」などと呼ばれ、多くの方々に愛用されたレンズです。
(ちょっと過去形で失礼です~31mm limited に人気をもっていかれた)


その素性のよいレンズを、今のコーティング技術で再リメイクしたのが今回の新製品。
逆光時でもゴースト・フレアのより少ないクリアな写真を実現しました。
 

  • 素性のシャープさを大切に
  • クリアで抜けが良い
  • 開放時の柔らかさと穏やかさは残しておきたい


もう一度、舞台に上がってきてほしい~そんなメーカーさんの思いを感じるところであります。

 

HD-FA35mm-016.jpg

フォーカスは全群繰り出し。そして、最短撮影距離は30cm。
この全群繰り出しがこのレンズのミソ!

レンズ全体が鏡筒ごと全部が前後する全群繰り出し方式なので、近接撮影時の補正機構(フローティング機構)を必要としない。
そう、ここが小型軽量なるレンズの源泉なのです。

もし、これを今風の開放からパキパキの高解像高性能なレンズとして新設計すると、まずは前玉に大きなパワーのある非球面レンズを配し、後群に種々の収差補正系の高性能レンズが必要となり、加えてフローティング機構、さらにフォーカス用の高性能なアクチュエターをどうする?などなど、どんどん大きく!どんどん重たく!そしてどんどん高額化していきます。

そう、振り返ると、味のある小型なレンズはどこいった?

となるわけですね



そこでもう一度、このレンズ特徴を再確認。

レンズの特徴(=カタログスペックとして数値では表現できない部分=写りの多面性)の継承を第一義
とした上で、
 

  • 開放では柔らかさを持ちながらしっかりした解像をする描写
  • 絞ると全体がシャープな描写
  • そんな多面性を、今後も共存させたい


そんな思いで再登板させたのがこのレンズ。



ほんと、言葉だけでは伝えきれない部分です。

具体的にお伝えできるよう、このレンズも出来るだけはやくお写ん歩"K"君のレビューをお届けしたいと計画中です。

彼と話しをしますと、

「とても好きなレンズでしたよ」 おっと、ここでも過去形。彼も軸足が31mmになってたみたい

「もう一度、ひな壇!に登壇ですね」
「ラグビーで言えば第一列のフォワードではなくて、バックスのフルバック的な存在かなぁ」
「駆け抜けてもらいましょう~」

製品版を楽しみにしております。(担当者のOGA氏殿)





それでは、各社レンズと一緒にMTF曲線をみてみましょう。


HD-FA35mm-017.jpg


古い基本設計だからダメという感じではなく、最新式の各社のレンズと十分に張り合える力を有していますね。

そして、各社レンズとのスペック比較も一応アップしておきますね~ (^^);;



HD-FA35mm-018.jpg

それでは、
さらに次ページで外観を紹介を続けていきましょう

 

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