カメラの八百富|KONICA KANPAI コニカ カンパイ

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コニカ カンパイ KONICA  KANPAI
  が入荷しました。


kanpai001.jpg
実は、私、結構こういう際物のカメラが好きだったりします。


aiborg.jpgこの後の1991年に出た、「鬼瓦」こと「AiBORG」なんかも趣味の範疇かもしれません。

こういう系に共通して言えることは、どこまで真面目に何台売るつもりで「生産」をしたの?という疑問に行き当たります。
そして、そこで思考がストップ。

ただただこういう「際物」を大量生産するという「決断」に感服すると言えばそうなのですが、どうして誰も「いや、ちょっとそれは」とは言えなかったのか不思議でなりません。

「カンパーイ」ってな写真をノーフレームで撮りたいか否か、社内の宴会ですぐにわかることかな思うのですが?
ウーン、それでも需要があると担当者は企画を上げた。
よほどテスト撮影ではいい写真が撮れていたのでしょう。(いやみな言い方ですが)


autoboyse.jpgこのあたりは「コニカ」だから許せるのですが、CANONのソーラーカメラ「AUTOBOY SE」に至ってはすごすぎ。

そう言えば、長い間入荷していませんね。

新品で売っていた時代、全く売れなくて最後は営業マンが引き上げていったのを覚えています。キヤノンさんの商品でそんなことは、これが最初で最後じゃなかったかな。

「カメラ作動に必要とする全電気量を、太陽光から供給を受けるといった、近未来的な開発思想が注目されたエコロジーカメラ。」という自社評価ですが、まさしく「開発思想」のみの注目で「実用」ではなかった際物。

以上、私の際物コンパクトカメラの3強紹介でした。

そこで話を KANPAI に戻して、

カンパイ 諸元

レンズ 34mm/F5.6 3群3枚
撮影距離 2固定焦点方式 1.1m~∞(ピント位置は1.1m)、ボイスレリーズモードではピント位置は1.8mになり、最短撮影距離は0.9mになる
シャッター 1秒~1/200秒
露出および補正 CdSによるプログラムAE 連動範囲:EV6~EV15.6(F8・1秒~F16・1/200秒)
フイルム感度 自動設定 ISO100/200と400の二段切替
ストロボ 内蔵固定式 低輝度時自動発光、強制発光、発光停止(最長1秒のスローシャッター) フラッシュマチック式 充電2.5秒(ISO100の場合。400では1.5秒)
連動範囲:1.1m~3.3m(ISO100)
ファインダー 上面にフレーミング・モニター
電池 2CR5
大きさ 126×67×48.5mm
重量 195g(電池別)
その他特徴など ・オートローディング)、自動巻き上げ・巻き戻し、途中巻き戻し。
・セルフタイマー
・日付写し込み機能


まず、このカメラの一大機能は「ボイスレリーズモード」

このカメラを際物と言わせる一大機能。変わり物と皆に言われる所以、「ボイスレリーズ」
前面のモードスイッチを入れるとマイクがON。

kanpai002.jpg写真のように、音量センサーが5段階で検知、音量が基準値を超える(6段目)とシャッターが切れるというもの。騒ぎ声が最高潮となった「かんぱーい」でシャッターが切れるという仕組み。
けれども、そう都合よく切れてくれないので、検知レベルは上部液晶部で3段階に切り替えられます。

kanpaiue.jpg
上の写真の液晶部の右端の3個の丸のアイコンがセンサーレベルです。
笑い顔の大小で表示されているところがお茶目です。


2番目のとんでもない機能が「フレーミングフリー」機能

簡単に言えば「自動首振り機能」、扇風機の首振りみたいなもんです。
シャッターが切れるごとに一定の角度(最大40度)でカメラが首を振り、最大100度までの範囲を撮影できます。下の写真の三脚ネジ穴部分をよく見ていただければ、首振りの仕組みと可動範囲が見て取れます。

kanpaisoko.jpg
専用三脚のガイドピントをロックの印のある穴に入れて止めれば「不回転」、白い印の穴に入れて固定すれば「首振り」となります。従って、この機能に必携なのが靴を履いたお茶目な専用ミニ三脚。残念ながら、この個体には附属しておりません。

2つ上の写真にある左側のガラス窓がおよその撮影範囲をカメラの上から確認するためのフレーミングモニター。ウエストレベルファインダーみたいなもので、三脚にセットしたカメラを机の上に置くときにおおよその範囲を確認して構図を決めます。

いすれにせよ、アバウトなフレーミング。頭が切れるかもしれないし、顔が切れるかもしれない、またそこには誰もいなかったなんてこともありうる、とことん行き当たりばったりカメラです。


総括 こんな勝手なカメラはない

ということで、勝手に切れるは、勝手に首振るはと、非常に身勝手なカメラです。
テストするにも一人じゃ恥かしく、またカメラの前で一人ではしゃいでいたら「奇人扱い」と、なんとも扱いにくいカメラです。

複数でテストしようにも、中々切れない。センサーの感度を上げるとしょっちゅう切れまくる。切れないなと思えば、ストロボ充電中。拍手で反応させようとしてもセンサーが振り切るだけで無反応、カメラに向かって声を出せども、なかなか切れない。
「おーい、どうなんてんだ、お前」

それでも、こういうカメラは「とことん」おもしろい。
カメラを歴史として「あーでもない」「こーでもない」と言えるところが、「中古カメラ」のおもしろさの一端かもしれません。買って落胆するのではなく、はじめからその「バカバカしさ」を受け入れて買えるのですから非常に気楽です。

BODYカラーは写真の通り、「コニカレッド」。
ある方に言わせれば、この赤は当時コニカしか使えなった「赤」。
特許で固めていたとのことです。(真偽?ですが、確かに、この赤はコニカしかないんですね。)

展示店は大阪駅中央店となっております。
お値段は、(税別)3,800円 (税込)3,990円。
お問い合わせは、電話 06-6341-7005、もしくはメールにてお願いします。

+++中古カメラ担当係+++


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このブログ記事について

このページは、㊥カメラ 担当係が2009年8月15日 23:39に書いたブログ記事です。

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