カメラの八百富|YASHIMA OSANON Digital 750 (ヤシマ オサノン デジタル 750)

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カメラ買取・レンズ買取㊥カメラ担当係"S"です。

今日ご紹介するカメラは、個人的に最も大好きなカテゴリーからの珍品。
なのですが、たぶん極一部の方々にしか評価?してもらえないカメラなんだろうな......という感じで、大多数の方々は「さらりと」と別のページに移動かな......、そんなカメラのご紹介です。

デジタルはデジタルでも「1976年のデジタルカメラ」
M42マウント(ペンタックス・スクリュー)仕様のYASHIMA OSANON Digital 750  ヤシマ オサノン デジタル 750 が入荷しました


YASHIMA_OSANON-001.jpg「OSANON」という奇妙な名前が付けられたこのカメラ、「YASHIMA:ヤシマ株式会社」が1976年に生産を開始した輸出専用機で、その素性はあまり知られていないカメラです。

聞く所によりますと、ヤシカが経営不振に陥り「京セラ」に吸収合併されていく過程の中で、ドロップアウトされた(させられた)方々が作られたカメラだそうです。

ただ、同じ「YASHIMA ヤシマ」でも、ヤシカ初期(八州光学)のころの「ヤシマフレックス」時代(1950年代)の「YASHIMA ヤシマ」は本流の成長過程のブランド銘(会社名)であったわけで、あくまでもこの「OSANON」を作った「YASHIMA ヤシマ」は、本流から外された方々が自らの源流に思いをはせ、なんとしても再興を目指して名付けたブランド銘であったということのようです。

また、このカメラには下の写真の「OSANON」というブランドプレートが付いているのですが、物によっては「YASHIMA」というタイプのものもあり、これは国内向けに出荷されたものです。
YASHIMA_OSANON-002.jpgいずれにせよ「OSANON」や「YASHIMA」ブランドであったとしても、ほとんど市場で見かけない機種なわけで、いったいどんな機能が搭載されているのか私もよう分かっていなかったので、今回色々と調べてみました。

ということで、次ページで詳しくこのカメラをみていきましょう。



マウントはM42マウント

なのですが、写真のようにネジ切りが深い所にしかありません。

YASHIMA_OSANON-003.jpgペンタックスのスクリューマウントのマウントは、上のほうまでネジが切ってあるのですが...

YASHIMA_OSANON-004.jpg別段レンズ着脱には両者の差はないのですが、色々と試してみますと、ボディーキャップがSPF以降に作られたこのデザインの一部しかかからないことが判明。......だからどうしたですが...(笑)
(同じデザインでも装着できない個体もあります)

YASHIMA_OSANON-005.jpg
PENTAX SPF などと同じ開放測光対応

赤線内の突起が、絞り連動ピン。SMCタクマーなどの開放測光レンズに対応しています。

YASHIMA_OSANON-006.jpgレンズの後側にこういう突起(赤線内)があるレンズであれば、絞り優先オートが作動します。

YASHIMA_OSANON-007.jpgところが、マニュアル露出時の露出計をどう作動させるのか、どうしてもわからず。
もしかすると、このカメラの露出計は、絞り優先時に作動シャッタースピードを表示する機能しかないのかもしれません。


なんのこっちゃかわからんのシャッタースピードダイヤル周辺

このカメラの最大の難関といいましょうか、どう使ってよいのやら、全くもって理解できない仕組みです。

YASHIMA_OSANON-008.jpg色々と試してみると、どうもこのダイヤルは三重構造となっているようです。
① レンズの開放値のセット
② 非開放測光レンズ使用時の、使用絞り伝達ダイヤル
③ モード切替(A/B/M)とシャッタースピードダイヤル

まず一番上のダイヤルが、非開放測光レンズを使用する時にオートを働かせるための仕組みで、使用レンズの開放値をセットします。

まず小窓でレンズ開放値をセットします。そうすると、絞りダイヤルが設定した絞り値より小さい数字のところまで物理的に回らないようになり、疑似的な絞りリングが本体側に出来上がります。

そして、撮影する時は、まず本体のこの一番上のこのダイヤルを回してシャッタースピード確認し、そしてそれでokならレンズの絞り値を同じ値に合わせれば、カメラが自動的に適正なシャッタースピードに合わせてくれます。

なんともすごく面倒な撮影手順を要するわけで、本当の絞りリングとこの本体側の絞り蓮具の両方を連動させながら使うというとんでもない仕掛けなんです。

さらに、このダイヤルが小さい上に、回すのが非常に固い。
指が痛いと言いましょうか、実に使いにくいく、さらに、開放値をセットするのも難儀で何をどうすればセットできるのかほんまわかるようでわからんシステムで、正直「一眼レフ史上、最悪の構造を有するカメラ」です。

ここまでが、絞り優先時の使い方。(AUTOの赤文字の所)

次が、B。
そして、次がさらなる難関とも言える「マニュアルシャッター」なのです。

写真では緑色の所に「MANUAL」とプリントされているのですが、ダイヤル回して行くと、次のプリントが「X」、そして最後が「1000」。各スピード毎にはクリックはあるのですが、その位置がいったい何分1秒かがわからない。

どうしましょ。さあ、ここでいよいよ「デジタル750」の出番です。
この時代のデジタルカメラたる所以、そうファインダー内に選択シャッタースピードがデジタル表示されるわけです。

しかしもって、これがデジタルだ~!!!っていわれても、いやはやもって...参りました。


ところがこのデジタル表示が凄すぎて???理解不能です。

YASHIMA_OSANON-009.jpgなんとも懐かしレトロな「赤色」表示。(たぶんLED表示)
が、ここで疑問が...この「.002」って?

そうなんです、実はこれは「0.002」のことで、「1/500」。はっ......

順番にシャッタースピード回していくと、ファインダー内にはこんな数値が表示されます。

.001 .002 .003 .006(.007) .013 .020(.021) .041(.042) .082(.085) .160(.170) .260 .510(.530) 1.00(1.10) 2.00(2.10) 4.10(4.20) 

※()のあるところでは、どちらかの数字が表示されます
YASHIMA_OSANON-010.jpgこれを換算しますと、
1/1000 1/500 1/333 1/166 1/77 1/50 1/24 1/12 1/6 1/4 1/2 1 2 4.1

よっぽど「APS-Cサイズセンサー」のレンズ換算のほうが受け入れやすいですね。(笑)
※ 絞り優先時も同じ表示です。ゆえに、シャッタースピードに即時認識は無理です(要電卓)

そして、さらにすごい機能がここに付加されており、「露出時間を減算式でデジタル表示する」という仕組み!はじめは何のこっちゃか全く分かりませんでしたが、実際にシャッターを切ってみると、あららあらら~。

1秒から長いシャッタースピードの場合、「1.00」から数字が0.90 0.80と減っていくではありませんか。最後0になるとシャッターが閉じるわけで、ある意味、減算式のストップウオッチが付いている状態です。

全くもって「あろうがなかろうが、どうでもいい機能」なんですが、考えた方々はおもっきり真剣だったわけで、他社との差別化を図ろうと工夫されたのでしょうが、どうも使う側の立場から考える視点はなかったようですね。

あと、このシャッタースピードの表示は「巻き上げない」と表示されません。
巻き上げていない時は、どんな場合でも「.000」しか表示されません。
また、シャッタースピードの表示や絞り優先オートの測光は、シャッターボタンの半押しで記憶され、都度都度「半押しでリセット・記憶」をしなければならない構造ですのでご注意ください。


その他の機能(含む:不思議な部分)

絞り込みボタンです。
マニュアル時の露出計と連動しそうなのですが、単に絞り込むだけのようです。(故障していたという場合はお許し下さい)
YASHIMA_OSANON-011.jpg飾りボタン?
押そうが、下げようがびくともせず。全くもって何なのかわりません。(用途不明ボタン)

YASHIMA_OSANON-012.jpgバッテリーは「4LR44」。
電池ぶたの突起が異常なほど大きいのが印象的です。
(こんな変な形状の電池ぶたは、たぶんこの機種ぐらいじゃないでしょうか)

YASHIMA_OSANON-013.jpgアーガスくささが漂うASAダイヤル。
何故か、「80 100 200」が緑色。25-1600まで。露出補正ダイヤルはないので、このASA
ダイヤルで補正するか、あるいは先ほど説明したボディー側の絞りダイヤルで補正することになります。

YASHIMA_OSANON-014.jpg独特のペンタプリズムのカバー。
ここだけ外装材質が変更され、梨地の金属カバーが取り付けられています。(MINOLTA XE風)
YASHIMA_OSANON-015.jpg
シャッターは縦走りのメタルフォーカルプレーンシャッター。たぶん、コパルなんでしょうね。
あと、モルトがおそろしく劣化していたので、きれいに貼り替えてもらいました。
(細い溝や裏ぶた全周も交換済みです)

YASHIMA_OSANON-016.jpg「YASHIMA」のロゴ部。

YASHIMA_OSANON-017.jpg底部。各所結構綺麗で、大きな塗装ハゲはなく、全体的に美品です。

YASHIMA_OSANON-018.jpg本来でしたら、これに「AUTO OSANON 55mm F1.7」のレンズが付いているべきなのでしょうが、残念ながら今回は本体のみです。

外観は、ご覧の通り非常に綺麗な状態で、角々の塗装ハゲはみられず、まずまずの美品です。
ファインダーは一応全視野見渡せる状態ですが、目を接眼部から離して覗くと、ファインダー下部に横一線(縦の約1/5の面積)の劣化が見られます。

※ ミノルタのXE等にみられるプリズムの劣化と同じ症状かと思います。おそらく、ペンタプリズムと本体の間に保護材としていれたモルトが劣化したため、銀蒸着を侵食してしまったのでしょう。

また、モルトは交換してありますが、撮影前提のカメラとしての販売ではありませんので、ご注意ください。あくまでも、商品の性格上、細部にわたる作動確認は不問(現状渡し)ということでお願い申し上げます。(存在そのものをお買い上げいただくコレクション商品との位置付けで)

是非、ご検討下さい。


中古 ヤシマ OSANON Digital 750 ボディ YASHIMA 【中古カメラ】 01105
販売価格 18,900 (税込価格) 
販売ページはこちら http://www.yaotomi.co.jp/products/detail/11724


+++中古カメラ担当係+++ 




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このブログ記事について

このページは、㊥カメラ 担当係が2012年12月 1日 23:11に書いたブログ記事です。

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