カメラの八百富|Hasselblad ハッセルブラッド の製造番号のお話し 【 A16 フイルムマガジン 】の場合 

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ハッセルブラッド の製造番号のお話し 兼 こんな偶然ってあるんですね!
びっくり!店の在庫品の中で連番じゃん!【 A16 フイルムマガジン 】の巻


店頭で接客しておりますと、時折、ハッセルのカメラをご覧になっているお客様から「この個体は何年製ですか?」ってなご質問を頂戴するときがあるのですが、そんな時は下の写真の製造番号から製造年を読み解きます。

hassel-a16-001.jpgこの個体の場合は、1971年製ということになるのですが、まあそんな難しい暗号判読というわけではなく、いたって簡単な文字列の組み合わせで表現されています。

「VHPICTURES」 = 「1234567890」


「V=1」・「H=2」・「P=3」・「I=4」・「C=5」・「T=6」・「U=7」・「R=8」・「E=9」・「S=0」
という風に文字に数字が割り当てられてるわけです。

だから、この場合は「UI」なので「71」、そんなことで1971年製という具合です。

そんじゃこの「VHPICTURES」って?となりますと、「Viktor Hasselblad Pictures」、創業者のお名前に由来しているわけですね。

そんなかんだで、ちょこっと当社が取り扱った個体の記号を調べてみますと、い~や色々とあるもんです。


詳しく調べてみますと、全てが全て「二文字」というわけではなく、

SWAではCIW(51) と後に W の文字。

SWCでも、TUW(67).TEW(69).USW(70).UHW(72).UPW(73).UCW(75).UTW(76)、と W の文字が続くのですが、1979年製のUEでは2文字に減。

また、500EL/Mも、UIE(74)、UTE(76)、そして1979年製のUEでは2文字に減。

変わりネタでは、500C/Mの UUC
前後する年度は全てが二文字構成なのですが、何故かUU(77年製)だけは「C」が付け加えられております。

その後のR系(80年代)は、全て二文字。
そして、E系(90年代以降)になると、前に型番(分類)記号を付しての年号の組み合わせになっております。

例えば、こんな感じです。

500C/M  10E...
503CX.503CXi  11E...
553ELX.555ELD  12E...
903SWC  13E...13S...
201F  16E...
501C  17E...
503CW  19E...19S...
905SWC  1ASV
A12  30E...
A16  31E...
A24  32E...
A32  39E...
POLAPLUS  341E...341S...
POLABASIC   342E...
MAGAZINE 100 FOR POLA   34E...
E12  36E...
E24  38E...
PM5  401E...
PME5.PME3  41E...
PME51  402E...41E...
PME45  403S...
PM45  404S...
PM90  411E...
PME90  412E...412S...

という風に、分類・年号・個体番号の組み合わせで構成されております。

まあ、いずれにしましても、特段に「何年製」のハッセルが「あーだ。こーだ。」という風な話は一般には言われておりませんので(聞いたことが無いので)、そう製造番号を気にする必要はないかと思います。

ただ、製造番号がらみで、一点だけご購入時に確認されたほうがよい事項があります。

それは、マガジンの内外番号の確認です。

実は、こんな所に3ケタの番号があるのです。この場合は、「246」

hassel-a16-002.jpgご存じのように、ハッセルのマガジンはフィルム装填部と外ケースに分離されるのですが、その内外の組み合わせを確認する番号なのです。

hassel-a16-003.jpgちょっと、拡大してみましょう。

hassel-a16-004.jpgということです。

複数のマガジンをお持ちの場合、間違って入れ替わってしまうことがあるかもということで、1/1000の確率なんですが、こんな識別で内外を合わせられるようになっています。

長年中古カメラと付き合っておりますと、ごく稀にこれが入れ替わっている個体に出くわすことがあります。なんかの拍子に、入れ替わってしまったのでしょうか。ただ、入れ替わっていても、コマ間安定、平面性大丈夫、としっかり動いている場合が多いのですが、基本はNGです。商品価値がかなり下がっちゃいます。(大幅減額対象ということかな...)

一応、当店の商品は必ず確認しておりますのでまず違うことはないかと思いますが、念のため皆様におかれましてもご購入の際にはご注意くださいね。

ということで、ごくごく普通のA16マガジン。
AはオートマチックのA、裏窓式じゃなくて自動で1番がセットされる新型マガジンということ。
16は16枚撮り。6x4.5の120フィルム用ということです。

普通は、A12(6x6の120フィルム用の12撮り)が付いている場合が多いと思いますが、縦横比のある写真をハッセルで撮りたいという時は、このA16マガジンの登場ということになります。

タイプは、A16の最初の形で、着脱ボタンのデザインが旧ロゴになっているモデルです。
hassel-a16-005.jpg使用上の注意事項は特段ないのですが、時々背面のメモホルダーがグラグラになっている個体に出くわすことがありますので、ご注意ください。板バネでピシャっと背面にくっ付いているのですが、力づくで開けすぎると、板バネが変形して戻りが悪くなるようなので、少しだけ丁寧にメモホルダーをお使い下さいね。

そう、あとマガジンスライドの差し込み口にもご注意ください。
マガジンスライドを抜き、中枠を外して、明るい光源に向けて差し込み口を透かしてみてください。
内部のテレンプが劣化していると、その隙間から光が漏れ出ているのが確認できます。

これが、光線漏れの原因で、ハッセルの最弱点なのかもしれません。
ただ、最も簡単な修理で、ハッセルを長年使う上での必然、お付き合い事項といえるかもしれません。

引きブタ(マガジンスライド)に何やら「黒いもの。黒いネッチャとしたものが付いている。」
そんなのが劣化のサインですので、メンテナンスの時期がやってきたかなとお考えください。

ということで、今、「在庫がいくつかあるかな」とウインドウをのぞいたら、在庫が1個。
程度を見比べようと、ショーウインドウから出したら、「あらら????」

hassel-a16-006.jpgなんと、製造番号が連番???????

hassel-a16-007.jpgそんな偶然って、あるときはあるんですね。(笑)
中もちゃんと連番。

hassel-a16-008.jpgスウェーデンで並んで作られたマガジンが、巡り巡って、大阪の八百富写真機店の小さなショーウインドウで再会したA16。

このあと、別々にお買い上げいただいたら、まあ二度と再会ということもないかと思いますと、なんとも言えない気持ちになりますが、だからといって2個いっしょにお買い上げいただく理由もなく、そんな不思議な運を感じながら......、って大袈裟ですね。(笑)


+++中古カメラ担当係+++ 


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このブログ記事について

このページは、㊥カメラ 担当係が2012年3月11日 16:23に書いたブログ記事です。

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