カメラの八百富|ニコン NEW F の「E・Pマーク」付って、あったんですね

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㊥カメラ担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。

ニコン NEW F の「E・P(EP)マーク」付って、あったんですね!正直な所、知りませんでした。(反省)

いわゆる「刻印物」という部類のカメラです。

たかが刻印、されど刻印。
表現が悪くて恐縮ですが、カメラ屋が悪いのか、あるいはそういうことに価値があると言っちゃう方々が悪いのか、はたまたどうでも「ええ」という方も沢山おられるのも現実なんですが、が、されどやっぱり「刻印物」という分野が存在しちゃう、そんななんとも評価の難しい中古カメラの1台をご紹介します。

nikon-f-001.jpgこのカメラの場合、こんな風に巻き戻しクランクの部品に「E・P」(EP)が刻印されています。
ただ、たったそれだけなんです。

まあ、それでも「好きな方は好き」なんですよね。
なかには、このEPマーク専門でコレクションされている方もおられるわけで、いろんなカメラのいろんな所に、こっそと刻印されているので、それをこそっと気付くってな所が通なお遊び、カメラ屋が気付いていない事も多く、そこをこっそり買っちゃう、そんな「過程」を楽しむ分野かもしれません。

つまり、あろうがなかろうが、ほぼ価格には反映されない「特徴」ということでしょうか。

おっとそういえば、肝心の「E・P」の意味を説明しておりませんでした。
「Exchange Post」の略で、進駐軍の陸軍売店やNABY海軍(オリエント商事扱い)で販売されているカメラ、レンズなど物品税の免税識別の為に付けられたマークです。

簡単に言えば、このカメラは物品税を収めなくてよい(払ってない)個体だよとカメラが宣言している、そんな感じです。違う表現をするなら、もし万が一、このマークの個体が日本国内で販売されていたらそれは横流しされた商品だよということになるわけで、犯罪防止といいましょうか、徴税逃れ、脱税行為の防止、そんな側面もあったようです。

この「EPマーク」、私個人の経験値では、どちらかというと「CANON」のほうがよく見るような気もするのですが、大概の場合、CANON と NIKON のレンジファインダー時代の機種に見かけます。

そう、そうなんですよね。
EPマークを見かける機種って、ある時期に限定されているのですが、......。
が、このカメラは、なんと「NEW F 」なんです。
nikon-f-002.jpg恥ずかしながら、今日の今日まで知りませんでした。
初期の番号のニコンF系の固体では何回か見たことはあるのですが、素直に反省です。
やっぱ、中古カメラって奥深いといいましょうか、色々な視点や切り口があるものです。


とにかく、中古カメラ屋のスタッフは経験が第一。
一にも二にも「たくさんのカメラ」を取り扱うことが大切ですね。
いっぱいお客様とお話して、そこで鍛えてもらう。
ほんと、すばらしくその分野(機種)に強いお客様がおられますので、私も若い頃、色々と教えてもらいました。なかでも、ニコンFに関しては、ほんと勉強させて頂きました。

そんなんで、お客様から「あんたの専門は?」と聞かれましたら、迷わず「ニコンF」とお答えしております。

カメラ屋のスタッフがこんなこと言ったらいかんのでしょうが、とにかくお客様に追い着こうと勉強している間に、「ニコンFアイレベル」がかっこええと思うようになっちゃいました。(笑)いかん、いかん!

いや~、このファインダーの直線美、最高ですね。(まずい)
ニコンFはやっぱ、アイレベルです。アイレベルこそ、ニコンFそのものです。
う~ん、この直線は大切にしたい、絶対に凹ましてはいかん部分です。

nikon-f-003.jpgそして、このメッキ。これも大切にして頂きたいですね。
もう今やこういうメッキはもう出来ませんので、錆びさすことがないよう管理して下さい。
と言いますのも、保存環境の問題で「錆び」た個体をよく見かけますので。
シャッターダイヤルの基部や、フィルムカウンターのカバー部、レンズ着脱ボタンの外側カバーによく見かけます。ご注意下さい。

nikon-f-004.jpgあと、気をつけて頂きたいのが「底板」。
ここは「スレやすい」。
ミミズがはいやすいとでも言いましょうか、非常にやわらかいので持ち出し派の方で、出来るだけ美しいままでとお思いのお客様は、ちょっと配慮下さい。ボトムケースの併用もいいかなと思います。
nikon-f-005.jpgこんなことを言っていたら、使えない中古カメラとなっちゃいますので恐縮ですが、なんとなく出来るだけ「いい状態」のニコンFであってほしいとの思いからということでご理解下さい。

もう、これがニコンFのブラックということになれば、もっと大変。
あれしないで、こうしないで、もう防湿庫カメラ的ご使用法ということになっちゃいます。(笑)

あと、カメラ選定時のご注意事項。
経験則的に、まず高速が開いていない機種にはお目にかかりません。
反対に、スローガバナーの不良はよくありますので、かならず1秒から1/8秒の作動をご確認下さい。
ただ、不良でもほぼ100%修理可能です。

ファインダーは、要注意、いわゆるプリズム腐食です。これは、ファインダーを外して、プリズム面から確認すれば有無はすぐわかります。これも、結構な確立で「プリズム再生」という形で修理が可能です。が、プリズム全体にガスがかかったような曇りが発生している分は修復不可能です。あと、縦線もほぼ修復される場合が多いですが、一部回復不可能な場合もあります。

光線漏れの問題、これは過去、一切経験したことがないと思います。ご安心下さい。

そんな感じで、わりと安定した故障の少ないカメラかと思います。


この商品の状態は、中古並品。実用機とお考え下さい。(気軽にお外に持ち出せるNEW F)
プリズムは綺麗で、接眼内のゴミの感じからすると、たぶん内部の清掃が行われていると思います。
また、モルトは交換されています。
スクリーンは一般的な(A)型スプリットイメージが取り付けられています。
ボディーナンバーや各部の状態から判断すると、いわゆる「のせ替え」NEW F ではなく、オリジナルNEW F かと思います。

以上。

展示店は大阪駅中央店です。
お値段 は、(税抜)59,800円 (税込)62,790円。

WEB 上でも購入できます。 →  こちら

店舗へのお問い合わせは、電話06-6341-7005 またはメールにてお願いします。

+++中古カメラ担当係+++ 


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このページは、㊥カメラ 担当係が2011年5月24日 23:03に書いたブログ記事です。

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