カメラの八百富|MINOLTA MD VFC ROKKOR 24mm F2.8 ミノルタ MD VFC ロッコール

| コメント(0) | トラックバック(0)


㊥カメラ担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。

只今、20分位観測。そこそこの高さにオリオン座がのぼりつつあります。
しばらく見ていると、結構明るい「流れ星」を一つゲット。
オリオン座から東の地平線に流れる軌跡。色はオレンジ系だったような感じです。
大阪はややもやった薄雲がありますが、そこそこ星々が見えています。もしからしたら、高度が上がるにつれて沢山みれるかもしれません。このブログを書き終わったら、またチャレンジです。

では、本題に!
今日ご紹介するカメラは、ミノルタ MD VFC ロッコール 24mm F2.8 というレンズです。

VFC-001.jpgこのレンズ、正直なところ原理はなんとか理解できるのですが、実際の撮影において、いったいどんなふうに使ったらよいのか、なかなかうまく説明しきれない難しいレンズです。
VFCレンズとは「像面湾曲収差を制御」する機能を内蔵したレンズで、ミノルタ特有のシステム、この24mmと、シフトレンズCA35mmに採用されています。

では、像面湾曲収差について少しご説明させていただきます。
簡単に言えば、中央と端のピントが異なる現象のことで、凸レンズの中には、同じ距離の平板にある物体を見ているのに、中央に焦点を合わせると端のピントがボヤけていたり、逆に端に焦点を合わせると中央がボヤけることがあります。このような収差を像面収差といいます。

VFC-003.jpg本来なら、この収差が発生しないように工夫するのですが、このレンズはこの像面湾曲収差を積極的に制御しようというレンズです。その制御については、レンズそのものをみていただくのが一番わかりやすいと思います。

VFC-002.jpgレンズ先端のリングがこの「像面湾曲収差」を制御するリングです。中央の白点の横に凹凸の記号がありますが、右に回すと中央にピントを合焦させた場合周辺部のピントが前よりになる、反対に左に回すと中央にピントを合掌させた場合周辺部のピントが後よりになる、そして回す量で合焦範囲の幅(深度)を決めるという使い方です。

次に、被写界深度表の部分を見てください。通常の深度表に加えて、水色・黄色・赤色の線が左右対称に配置されています。この色が先ほどの先端リングの強弱を決める色と符号しており、凹側は向かって右、凸側は向かって左、ファインダーで合わせた中央のピントに対してどこまで補正の範囲に入るか読み取ります。ただ、深度表のようにピント合焦を中心に前後ということではなく、ピントに対して凹凸のいずれか片側が対象となります。(下の写真も参考にして下さい)。

ただ、この制御効果、サンプル写真を見たことはあるのですが、ほんと微妙な話しです。
もともと広角レンズなので、元から十分に被写界深度が深いわけで、効果がもうひとつよくわからない側面もあります。また、ファインダーを覗きながら補正しても、スクリーンでは余計にわかりにくいという声もあるのも事実です。まあ、この部分に関しましては、冒頭申し上げました通り、なかなか上手く説明できません。

VFC-004.jpgこのレンズ、意外な話しなんですが同時代に出ていたMDロッコール24mm F2.8と同じレンズ構成となります。
難しい話になりますが、無限遠時に像面湾曲収差が無い様に設計されたレトロフォーカスレンズをそのまま繰り出して、近接側にピントを合わせようとすると、どうしても像面湾曲収差が生じます。それに対する近接時の補正としてフローティン グ機構が開発されました。

(フローティング機構がわかりやすいレンズは、ハッセルのディスタゴンの50mmFLEです。構造上シャッターユニットがあるのでピントリングと連動できないので、別リングで補正する構造ですから理解しやすいです。一般の35mmレンズではピントリングと近距離補正リングを連動させています)

つまり、このレンズを先端のVFCリングをノーマルにしておけば、像面湾曲収差を消す普通のフローティング機能のついた24mmレンズにしかすぎません。そこでこのVFCはこのフローティングによる像面湾曲収差補正機能を使って、逆に像面湾曲収差を制御したのです。故に、VFC24mmF2.8は光学系自身はMC/MD24mmF2.8と同じわけです。

VFC-005.jpg附属品は、純正のレンズフロントキャップとリアキャップとなります。
展示店は大阪駅中央店です。
お値段は、(税抜)48,000円 (税込)50,400円です。(電池別売)
お問い合わせは、電話06-6341-7005、またはメールにてお願いします。


+++中古カメラ担当係+++

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://www.yaotomi.co.jp/mt/mt-tb.cgi/124

コメントする

このブログ記事について

このページは、㊥カメラ 担当係が2009年10月20日 23:33に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「カメラの八百富|「オリオン座流星群」を見てみませんか」です。

次のブログ記事は「カメラの八百富|10月15日~10月19日 主な入荷商品」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ