カメラの八百富|稀少品 トキナー TOKINA AT-X 60-120mm F2.8 AT-X120

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㊥カメラ担当係"S"です。

ポートレート用レンズの銘玉と高く評価されている
「トキナー AT-X 60-120mm F2.8 AT-X120」が久しぶりに入荷しました。


tokina_60-120mm-001.jpgTOKINA 60-120mm F2.8 レンズ諸元

  • レンズ構成 11群14枚
  • 画角 40-20°
  • ピントリング回転方向 カメラメーカーと同方向
  • 最短撮影距離 1.2m
  • ズーミング方式 直進式
  • 絞り羽根枚数 9枚
  • 最小絞り 22
  • フィルター径 55mm
  • 全長x最大径 112.5x66mm
  • 発売マウント PK・OM・FD・KONICA・NIKON・FUJICA-AX・MINOLTA・Y/C
  • 重量 630g
  • 標準価格 レンズ本体:56,500円 ケース:2,500円 フード(別売):2,000円


メーカー宣伝(カメラ総合カタログ'85より引用)

  • 大口径F2.8のくせのない美しいボケ味と、被写体に立体的な奥行を感じさせる描写
  • ポートレート、風味、スナップをはじめ、明るさF2.8を生かした室内、舞台、夜間などの撮影に最適

というふれこみで販売されいた商品なのですが、残念ながら現役のころはあまり注目されなかったレンズのようで、販売本数は非常に少ないレンズと言われています。

当時のトキナー製レンズ高級品の売れ筋は、AT-X 35-70mm F2.8(AT-X357) と AT-X 80-200/2.8 F2.8(AT-X828)。この2.8シリーズで2本揃えれば、次に買うのは広角系ズームの AT-X 24-40 F2.8(AT-X240)、その狭間に位置するこの AT-X  60-120mm F2.8をあえて買う理由をなかなか見つけることが出来なかったというころでしょうか。

ただ、写りは最高で、ぼけ味の良さは秀逸、「知る人ぞ知る最高のポートレンズ」として愛好者の中で高い評価を得た、また現在も得ているレンズです。

ただ、ちゃんとした商品というのもなんなんですが、なかなか「まとものな個体」が無い......、2~3年に一度、実用に耐えうる個体に出会うという感じで、個人的には「バル切れ」した個体が多いような気がします。

この「バル切れ」、以前にもお話ししたかと思いますが、再おさらい。

レンズは1枚より2枚、2枚より3枚、多くのレンズを使用することで「色々な収差が補正」されるのですが、同時に使用枚数が増えると、空気とレンズ面での乱反射が起こる箇所が増える、つまりフレアやゴーストが沢山出てくることになります。

今の時代は、それを防止するコーティングの技術が進化したので、レンズ面での無用な光の乱反射を極力抑えることはできるのですが、その昔のコーティングのない時代は非常に難儀な問題でありました。

そこで考え出され技術の一つ(レンズ設計方法)が、2枚のガラスをぴったりと貼り合わせてしまう方法で、2枚の貼り合わせ面では光の乱反射が起きない、つまり1か所でも「無用な乱反射」が起こる箇所を減らす手法が考え出されました。

その2枚のレンズ面の接着に使われた材料が「カナダバルサム」(マツヤニに似ている)なのですが、その天然樹脂(接着剤)が劣化することでおこる問題を「バル切れ」と呼んでいます。

強い光を通してレンズを覗くと、貼り合わせ部分のレンズ周辺部の一部が剥離しているとか、あるいは全体が黄色く変色、あるいは「雪印マーク」が中心部に出たりとか、なんだかんだとトラブルの原因となっています。その根本原因は、バルサムという素材の耐候性の弱さに起因するのですが、温度や湿度の変化と経年による素材そのものの劣化によるものです。

ただ、熱するとバルサムが柔らかくなって2枚のレンズが剥がれたので、腕のある修理屋さんは「芯出し」を行って再接着という「神業」でレンズを再生されていました。
(今、何人の人がそんな修理ができるのでしょうかね...)

そんなかんだで、工業化の進展とともに、その接着剤が天然樹脂から取り扱いが楽な(安定した)合成樹脂に変わって行くのですが、残念ながら「バル切れ」という問題が無くなることはありませんでした。やっぱり、貼り合わせた面の内部で色々と問題が発生しています。

ただ、症状の出方は変わり、今でも「バル切れ」とは言っていますが、状況としては「バルくもり」という症状のほうが多いかもしれません。

  • バル切れ : レンズの周辺部から中心に「虹色」系のうすい剥離が見える
  • バルくもり : 青白系の均一なくもりの大部分がバル系くもり・また、斑点系もある

こうなったレンズは、残念ながら修理不能。合成樹脂で固着されたレンズ群は基本的には再剥離は不可で、特殊な分解修理をされてもコーティングの劣化までは修復できず、しゃきっとした状態まで復元することはできません。

ということで、
このレンズは11群14枚で構成されているのですが、この群と枚の差が「バル切れ」する可能性がある部分で(余計に意味不明かな)、つまり、3か所の貼り合わせレンズがあるということなのですが、記憶では、周辺部から剥離する「バル切れ」が中玉で発生しやすかったような気がします。

だからと言って、トキナーレンズが悪いというわけではないですよ。
うちの修理屋さんは、メチャメチャ褒めてます。

(修理屋さん談)
トキナーレンズの素晴らしさは、レンズを1枚1枚ちゃんと固定しているということ。
どこの会社かは言いませんが前群全てをてモールド化して分解できないような構造にしたり、あるいは、前枠を外すと複数枚のレンズがバラバラになる手抜き構造でもないそうで、物づくりの姿勢は大いに評価されるべきと語っておられます。

ではでは、次ページでもっとも大切な「その写り」をご紹介。
確かに、いいレンズだと思いますよ、是非ご覧下さい。





撮影機材 NIKON D700 JPEG
各画像はクリックで別ウインドウ(4256x2832ピクセル)で拡大表示されます

TOKINA 60-120mm 60mm F2.8

tokina-60mm-2.8.JPGTOKINA 60-120mm 60mm F5.6

tokina-60mm-5.6.JPGTOKINA 60-120mm 60mm F16

tokina-60mm-16.JPGTOKINA 60-120mm 120mm F2.8

tokina-120mm-2.8.JPGTOKINA 60-120mm 120mm F5.6

tokina-120mm-5.6.JPGTOKINA 60-120mm 120mm F16

tokina-120mm-16.JPGTOKINA 60-120mm 60mm F2.8 近接

tokina-60mm-2.8-near.JPGTOKINA 60-120mm 60mm F5.6 近接

tokina-60mm-5.6-near.JPGTOKINA 60-120mm 120mm F2.8 近接

tokina-120mm-2.8-near.JPG
TOKINA 60-120mm 120mm F5.6 近接

tokina-120mm-5.6-near.JPGTOKINA 60-120mm 120mm F16 近接

tokina-120mm-16-near.JPG次に、最短撮影。但し、最短撮影距離が1.2mなので、なかなか近付けません。
このボケの綺麗さを考えると、接写リングを併用しマクロレンズとして使用するのも面白そうな感じです。

TOKINA 60-120mm 60mm F2.8 最短撮影

tokina-60mm-2.8-macro.JPGTOKINA 60-120mm 60mm F5.6 最短撮影

tokina-60mm-5.6-macro.JPGTOKINA 60-120mm 60mm F16 最短撮影

tokina-60mm-16-macro.JPGという感じです。
噂通りの「銘レンズ」と感じましたが、皆さまはいかがでしょうか。

特徴ないレンズが多くなった昨今(どのメーカーも、ほんまによく写る)、こういうモダンクラシックなレンズで撮影するのもまた一興。

是非、ご検討下さい。


中古 トキナー AT-X 60-120mm F2.8 ニコンAi-S用 Tokina 【中古レンズ】
販売価格 24,150 (税込価格) 
販売ページはこちら http://www.yaotomi.co.jp/products/detail/10494


+++中古カメラ担当係+++ 




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このページは、㊥カメラ 担当係が2012年8月26日 06:34に書いたブログ記事です。

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